2016年08月12日

ベルク展に寄せて

 1950年代半ばより、ラツコヴィッチは生まれ故郷バティンスカ村の風景や人々を、慈しむようにひたすら描いています。
 1960年代の作品では、表現方法が簡略化または様式化され、背景を画面奥に小さく描くことで主題を際立たせるなど、構図にも変化が見られます。仮面をかぶった人物を描くようになったのはこの時期で、その表情や動きから祭りの楽しさや村人の喜びが伝わってきます。
 10年後に発表された「黄道12星座」では、仮装した人物の表情や動きはドラマティックで自由奔放です。舌を出しておどけている「おうし座」、涙を流している「かに座」、肩を組む「ふたご座」など、どれもユニークです。
 見るたびに新たな発見があるのもこの作品の魅力です。

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『ZODIJAK−黄道12星座』より おうし座
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『ZODIJAK−黄道12星座』より かに座
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『ZODIJAK−黄道12星座』より ふたご座


posted by ラツコヴィッチ・アート・ジャパン at 16:06| クロアチア便り

2016年08月05日

マスケンバル(Maskennbal)

 クロアチアでは2月が近づくと、子供たちは「今年のマスケンバルはどんなものに変装にしようか」と、家族と相談してアイデアを練ります。私の息子は1年目には伊達政宗の衣装で、またある年はチャップリンに扮して参加しました。正宗の衣装は当時ザグレブに滞在していたおばあちゃんの手作り(すべて紙)で、とても評判が良かったです。
 祭り当日の夕方、子供たちは連れ立ってご近所を回りお菓子をもらいます。また、お母さんたちはこの日のためにジャム入りのドーナツ(krafna)をどっさり用意して子供たちの訪問を待ちます。スラスチチャルニッツァ(甘味処)に行くと1年中このドーナツを買うことができますが、手作りの味は格別です。いつか私も作ってみたいと思います。

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posted by ラツコヴィッチ・アート・ジャパン at 10:16| クロアチア便り

2016年08月03日

12星座・いて座

 いて座では、馬に注目しました。ラツコヴィッチのガラス絵には赤い馬が度々登場しますが、これほど多くの馬が描かれることはありません。馬の群れが勢いよく跳ね、絡み合うような描写はとても興味深いです。
 ザグレブで初のデッサン展が開かれた折、「鬣を風になびかせる馬の群れ(1976年制作)」が展示されました。親友でジャーナリストのハンズロフスキー氏がこの絵の解説を求めたところ、「好きなように感じ取ってもらえばいい。」と、多くを語りませんでした。
 それ以後メモ帳を携えてアトリエに足しげく通うハンズロフスキー氏の姿がありました。
 この絵がきっかけで、氏の「知られざるラツコヴィッチ」という本が生まれたといってもよいと思います。

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『ZODIJAK−黄道12星座』より いて座

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「鬣を風になびかせる馬の群れ」(1976年制作)


posted by ラツコヴィッチ・アート・ジャパン at 00:44| ラツコヴィッチ作品

2016年08月02日

ベルク展に寄せて・12星座

 星座シリーズにはマスクをかぶった人たちが多く描かれています。それはマスケンバルというお祭りを題材にしたと考えられ、1975年のガラス絵「カーニバル」でマスクをかぶった農夫たちが陽気に踊る姿が描かれています。

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posted by ラツコヴィッチ・アート・ジャパン at 12:27| ラツコヴィッチ作品