2015年07月20日

四季「夏」に見る赤の魅力

 ラツコヴィッチ作品にしばしば登場する赤は、スカーレットレッドです。遡れば1956年に制作された「かがり火」の炎や村人の衣装も赤く彩られています。
 「夏」のテーマは麦の収穫ですが、実際の麦はむしろゴールドに近く、彼があえて赤く彩色したのには画面構成上のねらいがあったのではないかと思います。
 かつて彼は「赤い馬」の赤について次のように語っています。
「私は子供の頃、自分の馬が欲しくてたまらなかった。ある時、夢に真っ赤な馬が現われたんだよ。」
 彼は、幼年時代に見聞きした懐かしい故郷の情景を生涯描き続けました。中でも、牛や馬・そして鶏は家族であり、自分たちを守ってくれる存在でもありました。村人たちの歌声と共に蘇る麦の収穫や、かけがえのない生き物たちを赤く描いたのは、画面構成上のねらいとそれらに対する崇高の念からではないかと考えます。

lac2015b.jpg
 <四季(夏)1973年>

image01.jpg
 <赤い仔馬 1992年> <赤い馬 2002年> 7/26日からのラツコヴィッチ展で展示されます。

クロアチアのナイーブアート イワン・ラツコヴィッチ展
−四季「夏」に見る赤の魅力と祭りへの想い−
2015 年7月26日(日)〜8月9日(日) 
CREATIVE SPACE HAYASHI


posted by ラツコヴィッチ・アート・ジャパン at 14:53| ラツコヴィッチ作品